くの一の術
作品解題
※初出扉

白土が日本漫画社から東邦漫画出版社に移って出した第1冊目である貸本「忍者旋風1号 風の巻」(1959年8月20日発行)の巻頭を飾った作品。 カラー14頁を含めた全39枚。 貸本「鬼影城秘史」(東邦漫画出版社)に最終頁だけがカラーで巻頭収録されているのは、初出誌でこの作品の次に収録されていた「鬼影城落城」を再録する際の見開き頁合わせによるものと思われる。 もちろん初出時、最終頁はカラーではなかった。 単行本の扉絵は、1969年のGC「忍法秘話」第8巻収録時に描き下ろされるが、この扉絵の以降再掲載はない。 その単行本収録時、作品末に「1959年7月」と入る。 SS「白土三平初期傑作集」第5巻(1997年)の表紙カバーには、なぜかこの作品のカラー原稿が2枚紛れ込んでいる。当初はここに収録する予定であったのかもしれない。 2010年の「忍者旋風 未復刻集成」で、貸本印刷物からの復刻がなされた。 内容は、忍者の佐助と才蔵が術比べをし、お互いを巧くだまし合うコメディータッチの作品。