三平劇場 |
概要 |
「三平劇場」は1963年に「ボーイズライフ」に掲載された全5回のシリーズ。全ての作品に脱稿日の記載はない。 「ボーイズライフ」は1963年に小学館から刊行開始された読み物中心の月刊誌で、創刊号(1963年4月1日発行/150円)に掲載の漫画は誌末の「ざしきわらし」だけだった。 ボーイズライフへの白土の新作掲載はこの5つのみ。じつは第6回用に「野犬」も執筆されていたが、「主人公が自殺する」という理由で掲載が見送られた。 この「野犬」の初出については、1967年の再掲載作品だけで構成された「白土三平劇場」項を参照のこと。 |
連載回数 | 作品名 | 枚数 | 発表誌 「ボーイズライフ」 | |
第1回 | ざしきわらし | 36 | 1963年4月号 | |
第2回 | 戦争 | 36 | 1963年5月号 | |
第3回 | 山父 | 12 | 1963年6月号 | |
第4回 | 鬼 | 28 | 1963年7月号 | |
第5回 | 無三四 | 36 | 1963年8月号 |
下に各回の予告部分を載せる。
※第1-2回目末予告部分 このように第3回目は予告では「ある思い出」となっていた。 その内容は「だれにでも、かずかずの思い出があるものだ。悲しいこと、ほおえましいこと、苦しい、そして、楽しかったこと……。だが、それらは、時と空間の移り変わりの中にうすれ、やがては忘却のかなたへ流れ去ってしまうものだ。だが、どうしてもわすれさせないものがある。それは心のかたすみに住み、ときおり、または何かのきっかけで、なまなましくまのあたりに見るようによみがえって来るのだ」 とあるが、結局この作品は掲載されなかった。 ※第3-4回目末予告部分 第5回目のタイトルは予告ではハシラに「八月号「岡本武蔵」をご期待ください」とある。 内容は実際に掲載された「無三四」と同じ。「岡本」がクローズアップされているのは白土の本名がそうだからであろう。 「姓氏家系大辞典」の「岡本」第19項にはこの作品末と同じ系譜が載っている(下の画像部分)。画像赤線の部分、私は宮本武蔵については全く詳しくないが、 武蔵円明流会サイトの「武蔵円明流」項にある「父・岡本新右衛門義次(備中蘆森城主、岡本円明流)」と重なっている。 ※「姓氏家系大辞典」第1巻P877「岡本19赤松氏流」部分 |