神隠し/神かくし
作品解題

※左から初出扉、四段組改稿版初出扉、初出誌中扉

貸本「掟」(1962年10月30日発行/青林堂)に、「忍者短編集」の第3話として発表された作品。全66枚の作品だったが、全56枚に四段組改稿され雑誌「別冊少年マガジン」初秋おたのしみ特大号(1966年9月発行/講談社)に再発表された。 そのときに扉絵を新たに描き下ろし、作品末に「1962年9月作品」と入る。 そのままの四段組改稿だが、下のように初出時薄墨の入っていた部分に斜線を描き加えたりしている。 やはり四段組改稿作品には、改稿時コマを縮小することで線が細くなる、改稿によって頁ごとの場面展開のリズムが無視されてしまう、といった「迫力」の面で残念に思うことがある。 当時は「雑誌=四段組」という時代であったので、白土は幾つかの貸本発表三段組作品を四段組に改稿し再発表している。 それがその後の出版物へと受け継がれているが、今はそういう時代ではなく「文庫版」という形態も当然であるので、私は本来の三段組版に戻したほうがいいと思っているのだが。 単行本の扉絵は、1968年GC「忍法秘話」第4巻収録時に描き下ろされ、以降すべて同じ。 内容は「サスケ」とリンクしていて、サスケの親戚の石猿や、サスケの母の双子の姉妹であるその妻、4つ子のいとこも赤子で出てきている。 この作品の執筆時期は「サスケ」に彼らが登場する部分を描いていた時期と重なっている。


※左が初出、右が四段組改稿後のもの