狼小僧
連載各回初出詳細
この作品は全三部に分けて発表され、のちの全12章からなる。
第一部
初の週刊誌連載である「風の石丸」に続いて、「週刊少年マガジン」の1961年1月1日号(1号)から1961年4月2日号(14号)まで全13回連載された。

※連載第5回目扉頁、連載第13回目(最終回)最終頁
連載回数 枚数 発表誌 「週刊少年マガジン」
第1回161961年1月1日号(1号)
第2回221961年1月8日号(2号)
第3回161961年1月15-22日号(3-4合併号)
第4回161961年1月29日号(5号)
第5回181961年2月5日号(6号)
第6回151961年2月12日号(7号)
第7回141961年2月19日号(8号)
第8回171961年2月26日号(9号)
第9回141961年3月5日号(10号)
第10回141961年3月12日号(11号)
第11回141961年3月19日号(12号)
第12回141961年3月26日号(13号)
第13回151961年4月2日号(14号)
連載終了後に貸本全2巻で発行された。連載時広告の入った頁が多かったため、貸本版ではコマを広げ広告スペースを消している部分が多い。また、一部コマを切り貼りした改稿もみられ、最後チコの死が追加されるなどある。 第1巻表紙画は連載第2回目扉絵の流用で、第2巻表紙画は連載第8回目扉絵の流用、第2巻中扉絵は連載第6回目扉絵の流用。 第2巻最終頁には連載時に存在しなかった「後記」が追加されるが、これは「風の石丸」と同じく連載打ち切りゆえのことわり書きである。

貸本「狼小僧 1」怪童子誕生の巻(111枚/1961年04月発行/講談社/150円)
 ※小題「プロローグ」「なぞの男」「野生の呼声」「火を吐く男」「狼谷の決闘」「山の出来事」「伊賀の忍者」

貸本「狼小僧 2」地ばしりの巻(111枚/1961年06月07日発行/講談社/150円)
 ※小題「空蝉逆流れの術」「かあちゃん どこに?」「なぞの男あらわる」「狼谷の激闘」「地ばしり」


「後記」
父と母を殺され、その怒りから地ばしりの術によって、ふくしゅうを企てたが、それもチコの死によって、すべて失敗におわってしまいました。狼に育てられ、狼から忍者へ、そして人間へと成長していく佐助の前途には、何がまちうけているでしょうか?「少年マガジン」ではここで筆をおくことになりましたが、この狼小僧の物語りは、これで終ってしまったわけではありません。それは今の佐助は、まだ狼くさい野性のままの不完全な人間だからです。又、一度死んだ影丸がどうして生きかえったのかも説明してありません。これらについて質問のお手紙もいただいております。もちろんこれらの謎も、今後の佐助の成長をえがいて行くなかで、といて行きたいとおもっています。ごきたいください。なお、お手紙をいただいた多くの方々にご返事をさしあげられなかったことを深くおわびします。(白土三平)

※貸本「狼小僧」第2巻P111より

このあと1967年に全頁描き直され、「第一部」とされる。扉頁を抜いた総枚数は連載時が199枚、貸本が220枚、描き直し後は213枚になっている。ここで連載のものは第1章から第6章までの小題に区分けされる。厳密ではないが連載各回の大体の区分は下のようになる。

第1章「怪童子たんじょう」 : 連載第1回目
第2章「なぞの男」 : 連載第2回目から連載第4回目
第3章「狼谷の決闘」 : 連載第5回目から連載第6回目前半
第4章「伊賀の忍者」 : 連載第6回目後半から連載第8回目
第5章「再会」 : 連載第9回目から連載第11回目
第6章「地ばしり」 : 連載第12回目から連載第13回目


全頁描き直し版初出の「少年マガジン臨時増刊 狼小僧」(1967年)についてはこの頁の下を参照。
第二部
第一部が貸本全2巻で発行された後、その続刊として三洋社から発行された描き下ろし。のちの小題では第7章と第8章の部分にあたる。

貸本「狼小僧」第3巻(159枚/1961年5月30日脱稿/1961年07月発行/三洋社/180円)
 ※小題「第一話:仇討」「第二話:友」


この部分は1965年、下の掲載誌で「第二部」とされる。第7章「仇討ち」は三段組のままの再掲載だが、第8章「友」はこれが四段組改稿版初出誌となる。第7章「仇討ち」の四段組改稿版初出誌「少年マガジン臨時増刊 狼小僧2」(1967年)についてはこの頁の下を参照。

「別冊少年マガジン」秋の特大号(1965年11月15日発行/講談社) ※第2部 放浪編第1話 あだうち
「別冊少年マガジン」お正月特大号(1966年1月15日発行/講談社) ※第2部 放浪編第2話 友


※「友」四段組改稿版初出扉頁
第三部
そして第三部。のちの小題では第9章から第12章までの部分にあたる。初出の連載詳細は以下。
連載回数 小題 枚数 脱稿日 発表誌 「ぼくら」
第1回第3部 第1話 剣士隼人の巻481961年06月20日1966年9月号
第2回第3部 第2話 三本角の巻501961年07月01日1966年10月号
第3回第3部 第3話 ベココ谷の巻501961年07月20日1966年11月号
第4回第3部 第4話 群狼の巻501961年08月15日1966年12月号
※第三部の「脱稿日」は草稿完成日とみるべきだろう。実際絵は1966年当時のものである。
講談社
週刊少年マガジン臨時増刊(1967年6月25日号)
狼小僧 1
発行 : 1967年6月27日 (6月15日発売)
定価 : 130円
全268頁 ※表紙から裏表紙まで
※表紙描き下ろし
収録作品名
狼小僧
内容は第1章から第5章まで。「第一部」途中までの全面描き直し版初出となる。脱稿日「1960年12月〜1961年3月」との記載がある。 表紙画は描き下ろしだが、構図は「第一部」連載第2回目扉絵と同じ。中扉絵は「第一部」連載第5回目扉絵の流用。
カラー頁の有無
フルカラー:巻頭4頁(P3,6,7,10) / 二色カラー:巻頭20頁(P4,5,8,9,11-26)
講談社
週刊少年マガジン臨時増刊(1967年8月20日号)
狼小僧 2
発行 : 1967年8月22日 (8月6日発売)
定価 : 130円
全268頁 ※表紙から裏表紙まで
※表紙描き下ろし
収録作品名
狼小僧
内容は第6章から第8章まで。「第一部」の残り(これも全面描き直し版初出)と、四段組改稿された後の「第二部」全てが収録されている。 そのうち第7章「仇討ち」はこれが四段組改稿版初出となっている。中扉絵は「第三部」連載第2回目扉絵の流用。
カラー頁の有無
フルカラー:巻頭4頁(P3,6,7,10) / 二色カラー:巻頭20頁(P4,5,8,9,11-26)
講談社
週刊少年マガジン臨時増刊(1967年9月24日号)
狼小僧 3
発行 : 1967年9月26日 (9月9日発売)
定価 : 130円
全268頁 ※表紙から裏表紙まで
収録作品名
狼小僧
内容は第9章から最終第12章まで、つまり「第三部」の全てが収録されている。表紙画は「第三部」連載第4回目扉絵の流用で、中扉絵は「第三部」連載第3回目扉絵の流用。
カラー頁の有無
フルカラー:巻頭4頁(P3,6,7,10) / 二色カラー:巻頭20頁(P4,5,8,9,11-26)