赤い竹
作品解題
※初出扉

雑誌「少年」1962年夏休み増刊号(光文社)に発表された作品。全33枚。初出から内容部分の変化は無い。ただ初出時唯一カラーだった扉絵だけは1964年の「月刊漫画ガロ」再掲載時忠実にモノクロ原稿として描き直され、以降雑誌に再掲載のものはこの描き直し版扉絵が使用されている。初出時に脱稿日の記載はないが、ガロ再掲載時に「一九六二年六月廿五日」と入る。単行本の扉絵は、1968年GC「忍法秘話」第4巻収録時に描き下ろされているが、次に収録された1970年の現代コミック6「白土三平集」で描き替えられ、以降は同じものが使用されている。

この作品に出てくる信州の赤藪、竹を切ると中から赤い水が出るという現象については今でも不明だ。若竹の竹水は透明であるし、竹について詳しい単行本「竹と人生」(上田弘一郎著/1970年4月15日発行/明玄書房)にも載っていなかった。

「少年」増刊号初出の作品
・「掟」:雑誌「少年」お正月大増刊探偵ブック(1961年1月15日発行)
・「寄生木」:雑誌「少年」お正月大増刊探偵ブック(1962年1月15日発行)
・「赤い竹」:雑誌「少年」夏休み大増刊スリラーブック(1962年8月15日発行)
・「傀儡がえし」:雑誌「少年」お正月大増刊スリラーブック(1963年1月15日発行)
・「四貫目」:雑誌「少年」お正月大増刊スリラーブック(1964年1月15日発行)
・「大咬」:雑誌「少年」夏休み大増刊スリラーブック(1964年8月15日発行)
・「因童」:雑誌「少年」お正月大増刊スリラーブック(1965年1月15日発行)